今日はモンゴル語に関心のない人にはあまりおもしろくない話題かもしれません。


モンゴル語を勉強している日本人の方も最近はだんだん増えてきているようですね。
基本的な文法が日本語と似通っているので、英語圏の人たちに比べて日本人には有利な点もあるのですが、ただ発音がやっぱり難しいのです。
特にRとLの発音、これがやっかいです。
例えば、「ありがとう」という意味の言葉、英語アルファベット表記だとBayrlalaaですが、日本風にカタカナで書くと「バヤルラー」となります。
しかし一つの単語の中にRとLの音が混じっているので、「バヤRLLアー」という発音になるわけです。
モンゴル語初心者にとってはけっこう難易度の高い発音だったりするのです。


同じような言葉に「水晶」を意味する「ボロル(Bolor)」という言葉もあります。
で、日本人の場合、RとLの音を逆に発音したり、「ボドル」なんて言ったりして、現地の人に怪訝な顔をされたりするわけです。
「ボオLオR」ってゆっくりでいいから言ってみてください。ね、難しいでしょう。
「水晶」なんて単語、普段の生活に関係ないと思われるかもしれませんが、この言葉けっこう人の名前の中に含まれているのです。「ボロルツェツェグ」とか「ボロルマー」とかね。だいたい女性の名前ですが。


あと、「商店」という言葉「デルグール(Delguur)」も同じですね。「デLグーR」。
LとRの発音、英語のものとはかなり異なっていて、Lは舌先を歯の裏側に付けて、息をその両脇から吐き出す感じですし、Rはかなり巻き舌の音になります。
そういうわけで、英語圏の人にとってもやっぱり難易度の高い音みたいです。ただ彼らはRとLの音はちゃんと聞き分けられるみたいですが。

ロシア語圏の人たちにとっては、キリル文字で書かれたモンゴル語をすぐに読めるというメリットはあるものの、ただモンゴル語にはロシア語にはない一文字が加えられているのです。
「Y」という文字。これは日本語の「ウ」にだいたい対応します。
で、まぎらわしいことに「y」という文字がロシア、モンゴル両言語にも存在するのですが、これは「オ」という発音です。(ただしこれは口の先をすぼめて突き出すような感じで低い音で出す「オ」なんですね。「O」という「ア」の口の形で「オ」を発音する文字もあります。)
モンゴル語に馴れていないロシア人は「Y」と「y」の発音をついつい混同しちゃったりするのですが、そうすると「私は水を飲みました。」という文章が、「わたしは髪の毛を飲んじゃいました。」という意味になったりもするのです。
けっこう何年もモンゴルに住んでいるロシア人でも気をつけないとすぐに間違えちゃうみたいです。


やっぱり外国語は外国語、母国語のように上手に喋れるようにはなかなかなりませんね。
気落ちすることや疲れちゃうこともあるのですが、逆に勉強の成果が目に見えるようになったり、モンゴル人から(お世辞とはいえ)誉められるととても嬉しく感じます。
結局外国に暮らすということは、役所の手続きやら、日々の買い物、いろいろな交渉なんかを自分でやっていかなければならないわけで、そんな中で言語能力も磨かれていくのかとも思います。
もちろん危険を回避したり騙されずに生きていくためには言語のスキルだけでは不十分なんですが。
いずれにしても、あせらず引き続き頑張って勉強しますね。