生徒のお父さんが亡くなったと昨日連絡があったので弔問してまいりました。
実は一週間前から意識不明の重体で入院していたのです。
原因は飲酒運転の交通事故に巻き込まれたのでした。

何でも職場の若い同僚と一緒にお酒を飲んで、二人で帰ってくる途中、猛スピードを出していたクルマが突然コントロールを失って何度も横転したとのことでした。
亡くなったお父さんは泥酔して後部座席に寝ていたそうなのですが、クルマから放り出されて全身の骨が砕け、意識を失った状態で見つかりました。
飲酒運転していた若者の方は、軽い怪我ですんだそうなのですが、腹立たしいことに運転していたのは意識不明の男性の方であると警察に説明していました。
幸いなことに事故の目撃証人がいたものですから、その後真相が明らかになりましたが、いずれにしても家族にとっては突然の出来事でもあり、本当にショックです。

モンゴルではアルコールが原因で悲惨な出来事が数多く発生しています。
酔っ払って殴り殺された人や、逆に人を殺して刑務所に入っていた人など、私の周りにもいます。
家族に暴力を振るったり、アルコール依存症のゆえに子供たちが深い心の傷を負うようになったりといった状況もそこここに見られます。
最初はそうした暗部には気が付かなくても、その家族と親しく知り合うようになるにつれてアルコール問題の影が見えてくるものです。
悲しいことに大抵の場合被害者になるのは子供たちなんです。

お酒が、人を楽しませ幾許かの喜びを与える素になるのではなくて、家族を不幸にするものになっている実情は見ていて辛いものがあります。
実際、お店でウォッカの瓶を持ってレジに並んでいる姿を人に見られると、日本では感じたことのない、なんとなく後ろめたい気持ちになったりもします。

アルコール問題はモンゴル社会の抱える大きな課題だとつくづく感じます。