最近ウランバートル市のメイン道路わきに婦警さんのたて看板がよく立っています。
どうやら第一地区だけのようなんですが、横断歩道で運転手が歩行者に注意を払うように促す目的のためのようです。
けっこうリアルな写真なので夜見るとびっくりします。


正直な話、「運転マナー」という言葉は、ここウランバートルでは存在しないと言っていいのだと思います。
公共バスを含めて、ほとんどのドライバーが滅茶苦茶な運転をします。
冗談ではなくて、ほんとうにほんとうにひどい状況です。
どれほどひどいかの例を以下にあげましょう。


●交差点では誰も譲り合いの精神を示さない。
①信号が赤になってもとにかくクルマの先端を進行方向に少しでも突っ込めば勝ちだと誰もが固く信じている
②当然のことながら交差点のど真ん中でぎっちりと隙間無くクルマが込み合うことが連鎖的に発生する。
③こうなると誰もこのカオスを解決することができなくなる。(前後左右隙間無くクルマがあるので、ドライバーは誰もドアを開けてクルマから降りることすら出来なくなる。)
④クラクションと罵声の洪水になる。
⑤最後は警察官を呼んで解決を図るか、喧嘩になる。


●空いているスペースはすべて自動車道路。
①渋滞が激しくなると、どのドライバーでもいらいらしてくるので、自分なりに解決を図ろうとするようになる。
②そうすると、歩道でも空地でもとにかくクルマが進入できそうなところを走ることになる。
③歩道を激しく走っていると、そのうち歩道にも対向車が走るようになり、結局歩道上でも対向車同士で渋滞が発生することになる。
④クラクションと罵声の洪水になる。
⑤最後は警察官を呼んで解決を図るか、喧嘩になる。


●公共バスは俺のもの。
利用者へのサービスという概念は、この国にもともと存在しない。
②当然のことながら公共バスのドライバーも乗客のことなどまるで気に掛けていない。
③仮に同じ路線のバスであったとしても、別のドライバーには(スピードで)負けるわけにはいかないとほとんどのバスドライバーは固く信じている。
④道路はサーキットだ。
⑤最短距離を走ることを考えているドライバーの場合、歩道を走ったり、抜け道のためにゲル地区を突っ切るということが生じる。
⑥時間のロスを減らすことを考えているドライバーの場合、たとえ降りる乗客がいても停留所に停まらなかったり、停まったとしても誰も乗せないか、早く乗り降りするように乗客に罵声を浴びせかける。
⑦最終的には、乗客と喧嘩になるか、別のドライバーや車掌と喧嘩になる。


日本の常識は通用しません。
こんな状況が日常茶飯事なので、クルマを運転したいとは思いませんね。やっぱり。