タクシー強盗

日本大使館からの注意喚起情報ですが、
「1月に、外国人を狙ったタクシー強盗が連続して発生しました。その手口は、バーやパブ等の外で待機していたタクシーが外国人客を乗せた後、途中で仲間を拾って外国人客の手足を縛った上、金品だけでなく着物や靴までも強奪し、寒中郊外に放置するという悪質なものでした。」
だそうです。


タクシー強盗が最近頻発しているようですね。


この間、日本人の友人が北京から国際列車でウランバートルに到着したのですが、かなりの量の荷物を抱えていたものですから迎えに行った友人と共に駅構内で客引きしているタクシーに乗ったんだそうです。
ドライバーは一人だったのですが、しばらく走ってから突然別の男性を同乗させて、目的地とは別の方向にクルマが向かい始めるではありませんか。
どうやらクルマに突然乗り込んできたモンゴル人男性とタクシードライバーは、もともとそのように申し合わせしてあったようです。なにやら雲行きの怪しい雰囲気、モンゴル語でひそひそと悪巧みの会話をしているのが漏れ聞こえてくるのでした。
どうやら日本人の友人たちのことを中国人だと思っていたようです。
幸い迎えに行った友人はモンゴル語ができましたので、自分たちが中国人でないことを必死に説明して、なんとか信じてもらえたそうです。
聞き出したところ、山の方の人気の無いところに行って、鉄パイプで殴ったうえに身ぐるみはがして逃走という計画を持っていたのだそうですが、必死の説得と懇願で計画を変更してもらい、目的地までは一応送ってもらえたのだそうです。
でも、目的地に到着した段階で、なんとタクシー代として100ドルを請求してきました。
この法外な請求額にはびっくり。だけど払わないとトランクにいれた荷物を出さないだの殴るだのと脅しをかけてきて押し問答になったわけです。
で、モンゴル語のできるほうの友人は、自分がいかにモンゴルという国と誇り高きモンゴル人に惚れ込んでいるのか、いつも絶対の信頼と尊敬の念を持っているのだということを滔々と説明した上で、あなたたちのこの仕打ちには心底がっかりしている、ほんとうに残念だ、モンゴル人はみな信頼できる良い人たちだと思っているのに、あなたたちは恥ずかしくないのかなどと喋り続けたのだそうです。
耳を傾けていた強盗二人組みがちょっとひるんだ隙に窓を開けて、今度は道行く人たちに大声で訴えかけたそうな。
「みなさーん、聞いてください。モンゴル人は皆親切で良い人ばかりだと僕は常々思っているのに、このタクシーの運転手さんは駅からここまでの代金として100ドルも請求しているんですよー。これはどういうことですか。いやあ、ほんとうに残念だ。悲しいです。」というようなことを大声でまくし立てたとか。
結局、請求額100ドルを10ドルまで値引きさせて、なんとか解放されたのだそうですが、それでも駅から13地区までで10ドルというのは、あまりにも高い値段ではありました。