モンゴル語のSF小説集を手にしてみる

ウランバートルの街角で二束三文で売られている古本たち。


ふと手にしたのは、あな珍しや、社会主義時代のモンゴルで出版されたSF小説のアンソロジー。


中学、高校生向けと書かれたこの本の出版元はウランバートルの「文具・子供向け本出版社」。
どうやらジュヴナイル小説集専門の出版社のようです。



旧ソ連と東欧の作家のものばかり13編が収められていますが、中身を見てみると冠に掲げられているのはアレクサンドル・ベリャーエフ!



おお、懐かしいと呟いて思わず買っちゃいました。
ベリャーエフといえば、「ドウエル教授の首」や「両棲人間」を子どものときに夢中になって読んだものですが、モンゴル少年少女にも親しまれていたのですねえ。



社会主義時代のモンゴルではSFといえばやはりソ連の作家が代表なんでしょうね。
ベリャーエフの収録作品は「眠らない男」という短編ですが、レムやストルガツキー兄弟の作品もモンゴル語訳であるのかしら。
暇なときに探してみよう。



奥付けを見ると1991年2月出版とあるので、社会主義時代の最後のものか。


わら半紙のようなザラザラな紙質と不揃いな活版印字の列が時代の香りを醸し出しています。
この本が出版されてちょうど1年後の1992年2月にはモンゴルは民主主義へと移行することになったことを考えると感慨深いですね。




モンゴル社会のありようが大きく変わりつつある時に少年たちはこんな本を読んで未来を夢想していたのでありましょうか。






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ロシア・ソビエトSF傑作集 (上) (創元SF文庫)

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ロシア・ソビエトSF傑作集 (下) (創元SF文庫)

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