モンゴルで自炊生活していて、あってよかったーと思うもののなかにスキレットがあります。
スキレット、ご存知ですか?鋳鉄製のフライパンのことなんですよね。
見た目には何の変哲のないただの鉄のフライパンなんですが、これがなかなか侮れない。

まず、普通のフライパンに比べて圧倒的に厚く、重いんです。
で、それゆえの蓄熱力と素材に均等に熱が伝わることによって、ほんとうに美味しく料理ができるんですよね。
肉でも野菜でも魚でも、素材本来のうまみがうんと引き出されているようです。
ジャガイモはほくほくと甘く、肉はジューシーな肉汁がしっかりと封じ込められて、そしてモンゴルの川魚でもなぜか臭みのほとんどない味になります。
ま、ダッチオーブンのフライパン版なんですけどね。

ウランバートルの一般的なアパートは日本と違って都市ガスの配管がありません。(プロパンガスの配達はあるのですが)
ですから調理は電気コンロで行うことになります。
電気コンロは温まるのに時間がかかり、電源を落としても冷めるまでにまた時間がかかりますよね。
スキレットの場合、ある程度まで火を通したあとに電気コンロのスイッチを切ってもかなり長い時間熱を保っていくんです。
電気コンロとスキレット両方の特性ゆえに時間をかけて、ゆっくりと素材全体に熱が伝わることによって旨みがぎゅうと濃縮されてゆくんでしょうね。

鉄製のフライパンゆえにとても錆びやすいことや使い始めるときにちょっと手間がかかったりするのですが、とにかく料理が驚くほど旨くなるので一度つかったら手ばなせなくなります。
鉄分も知らず知らずに取れるしね。


うちには6インチと10インチの二つのスキレットがあるのですが、どちらも愛着があります。
どちらももう真っ黒になっています。なにしろ毎日使っていますから。
小さいほうのスキレットはもう10年ぐらいつかっています。
一生使えそうです。頑丈ですよね。

ゲルキャンプのときにも実に重宝します。
ゲルの中のストーブの上において、もちを焼いたり、ホーショールやピロシキを温めなおしたりと大活躍なんです。

モンゴルに持ってくるのに重くてたいへんでしたけど、いやあ、これは本当に良いものです。
毎日使って、しみじみと喜びに浸っています。

LODGE(ロッジ) スキレット10・1/4インチ 8SK2

LODGE(ロッジ) スキレット10・1/4インチ 8SK2

asin:B00006JSU8
もっとシンプルに。―スキレットでつくる僕のイタリアごはんasin:4833480085