ここ最近、ウランバートル市内の中国語やハングル表記の看板がいっせいに姿を消すということがおきています。
ほとんどの中華料理店の看板から中国語が消されたり、変わりにモンゴル語表記に書き換えられたりといったことが見られているのです。
どうやら民族主義運動のグループが市内の中華料理店などに脅迫状を送ったらしく、そのせいでこんなことになったようです。
2005年11月には市内の中国系のホテルなどへの襲撃事件が実際に起きました。
多くのモンゴル人は中国人のことを疎ましく思っているので、現地在住の日本人も中国人と間違われて嫌がらせを受けたりすることもあるんです。


もともとウランバートル市に住み続けている中国人や、モンゴル人と結婚した中国人もかなりの数に登りますが、それに加えて最近の経済進出によって、モンゴルにいる中国人の数が飛躍的に増加しています。
オフィスビルやアパートなどの建設ラッシュで中国の建設会社や労働者がどんどん入ってきているのです。
市内の商店で売っている品物のほとんどは中国製品です。(モンゴルでは陸路の場合、基本的には中国かロシアという二つのルートからしか輸入品が入ってこないのです。)
現在の多くの人々の経済状況からすると、安い中国製品にどうしても頼らざるを得なくなるのでしょう。
モンゴルの人々に尋ねると、中国製品=安くて質が悪い、韓国製品=そこそこの値段でまあまあの質、日本製品=高いが質は良い、というものだそうです。(最近は韓国製品の評判はかなり良くなってきているみたいですが)
中国のイメージというものは一般的にあまり良いものではありませんね。


お隣の大国、中国との関係を抜きにしてモンゴル国の歴史や成り立ちを語ることはできません。
モンゴルに生活する人々の間にある火種はこれからも燻り続けていくのでしょうか。