オターンバートル

モンゴル語で煙のことを「オター」といいますが、モンゴル人自身がウランバートルのことを「オターンバートル」と揶揄して言ったりします。
風の吹かない日のゲル地区は、石炭、薪、オガクズなどから出る煙に包まれることになります。
特に最近は石炭の価格が上昇していることもあって貧しい人たちが一番安い燃料であるオガクズを使用することが多くなっています。
オガクズ用のストーブはドラム缶のような形をしていて、中にオガクズをいっぱいにつめれば大体7〜8時間ぐらいは燃焼し続けます。
低価格で火持ちもいいのですが、火力が弱いのと煙が大量に吹き出るのが欠点ですね。


(上の写真では奥のほうに9階建ての大きなアパートがあるのですが、煙のせいでぼんやりとしか見えませんね)


ゲル地区は市の北側の丘陵地帯などに広がっていることが多いのですが、朝晩はゲル地区からの煙が低地へと流れ込んでくるので、アパート地区でも煙で燻されることになります。
アパートに住んでいても窓枠に隙間などがあればその周りは煤煙で次第に真っ黒になります。


富裕層は空気のきれいな市の南側の高級アパートや個人住宅にどんどん引っ越しています。
庶民は引き続き煙の中での生活を送らないといけないようです。