ロシアのバスはどこいったの?

何年か前まではウランバートル市内を走る公共バスのほとんどはロシアや東ドイツ製のかなりくたびれたもので、ガタピシと音を鳴らしながら走っていました。
床に穴があいていて地面が見えたり、ドアがまともに開かなかったり、車内照明がほとんどなかったりとたしかにオンボロでしたが、モンゴルもまた旧共産圏の一部なんだと改めて実感できる雰囲気があってなかなか趣があったものです。
今のように広告看板が乱立するなど想像だにせず、ソ連時代の香りを色濃く残す街並みの中に溶け込んだロシアバスは、モンゴルの過ぎ去りし日々の風景の一部でもありました。
外側に大きく開く両開きのドアや簡素ながらも座り心地の良いシートが備わった市内バスからは、ヨーロッパの市民生活の香りも流れてきてモンゴルの地理的歴史的位置についてふと思いをはせるきっかけにもなったりしたものです。


気が付くといつの間にか東欧風のバスも淘汰され、現在のウランバートル市内の市民の足になっているのは、ほとんどが韓国製の中古バス。
ハングルで書かれた広告がそのまま残された車内は、資本主義一辺倒になった今のモンゴルにやはりマッチしているような気がします。


でも、正直なところあまり面白くはありませんよね。
ロシアや東欧のバスはどこへ行っちゃったんだろう?
モンゴルからはまったく姿を消しちゃったの?



いえいえ、今でもしっかり現役ですよ。
ただ、市内バスの需要というよりも悪路の遠距離定期バスとして利用されています。
タイヤが大きく車高が高い、ホイールベースも短めとあって未舗装路にはなかなか強い。
モンゴル国民の地方への足としての需要はまだまだありそうです。
人と荷物満載で毎日元気にモンゴル国内を走りまわっておりますよ。


ちなみにウランバートルからバヤンウルギーまでの定期バスは、二人ドライバー昼夜交代ノンストップで72時間という滅茶苦茶ハードな行程です。
ロシアバスをいやというほど堪能したい方は一度試してみてもいいかもしれませんね。


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ここ最近のウランバートルの雰囲気を知るには最良の一冊ですね。