知り合いのモンゴル人が馬肉の塊をくださいました。

2,3キロぐらいの量でしたが、とても質の良いお肉でしたので、紹興酒、醤油、ネギ、にんにく、生姜で茹で上げてスライスし、酢味噌でいただきましたよ。
臭みのまったくない、さっぱりした味で、旨い旨いとパクパク食べていたら二日でなくなってしまいました。


モンゴルでの食肉の値段は高い順に、鶏、豚、牛、羊となって、馬と山羊は大体同じくらいの値段、一番安い肉です。(だいたい一キロあたり150円ぐらいでしょうか。ラクダ肉も安いですよ。)
でも馬肉は臭みも無くて美味しいですね。
他の食肉に比べて低い温度でも脂肪分がすぐに融けだしてしまうので、とりわけ冬期向きの肉といえます。


カザフ族の人たちは、馬肉をほんとうによく食べます。
カザフの人たちもモンゴル人のように旧正月を盛大に祝うのですが、モンゴル暦とは多少時期が異なっているようです。
一度、カザフの旧正月とは知らないで、たまたまカザフ人の学生寮に行ったことがあったんですが、そのときは洗面器に山盛りの馬肉を勧められました。


そういえば、内田百間の随筆に「馬食会」ってのが確かあったと思うんだけど。
百聞先生が弟子たちを家に呼んで、馬肉を大量に食べさせる会を催した時のことが書いてあるんだけど、馬肉を初めて食べる人たちの感じる慄きや、一旦口にしてみて気付く馬肉の旨さについての記述がユーモラスで、とても面白く読んだ記憶があります。
昔読んだ赤瀬川源平のエッセイにも、櫻鍋をおそるおそる食べてみて、その美味しさにびっくりしたというものがあったような気がします。
馬の肉を食べるのは、日本人にとってやっぱりちょっと抵抗感のある行為なんでしょうね。


百けん随筆 (1)    講談社文芸文庫

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