昔読んだ内田百間の随筆に天気予報のことが書かれていたと思います。

近頃普及してきたラジオというものは、どうも面白くない、特に猫も杓子も天気予報ばかり気にするようになっているが、天気なぞ昔から風呂屋の煙突の煙を見れば素人でもうらなうことができたもので、ラジオなぞで殊更取り上げて人心を惑わすなんてばかばかしい、と、記憶違いかもしれないけど確かこんな内容だったと思います。


モンゴルにいるといつも天気予報は気になります。
特にこの時期は外出するときにどんな服を着ていけば良いのかを判断する上で、とても大切です。
防寒対策を怠るとたいへんなことになるからね。
だいたい外出前にはネットで現在の外気温や天気予報を見て出かけるんだけど、便利ですよねえ。
ただしどの天気予報のサイトでもそれぞれ少し異なった予報を出しているので、あくまでも目安にすぎなかったりもします。
Ulaanbaatar, Mongolia Weather Forecast from Weather Underground
410 Gone
World Weather Information Service - Ulaanbaatar
Yahoo!天気・災害


モンゴル人も天気予報はとても注意深く見ています。
ラジオやテレビで天気予報が流れると、なにはなくともしっかりチェックしていますよ。
でも、100年ぐらい前はラジオもテレビも、ましてやインターネットなどなかったわけで、そう考えると昔の人は偉かったですね。


個人的に天気動向を見るのに役立っているのが、火力発電所の煙突から立ち上る煙です。
ウランバートル市内には幾つか火力発電所があるんだけど、大抵どの場所からでも見えます。
で、寒ければ寒いほど大量の煙(水蒸気?)が出ることになるので気温の目安になるし、風向きや風の強さもある程度わかるわけです。
そういわけで、外出前には必ず煙突の煙をチェックしています。
それから外を歩いている人たちの服装や様子も仔細に観察するのも良い方法ですね。
帽子やフードを目深にかぶって歩いている人が通常より多ければ、かなりの寒さということです。
ゲル地区から流れてくる煙が普通以上に濃ければ、それだけ多くの石炭や薪を燃やしているわけで、やっぱり寒さが厳しいということですよね。(でも風向きによっても変化するので、それほど当てにならないかな。)
あとは実際に外に出てみて、鼻で息を吸ったときの感じや、バスの中のガラスがどの程度氷結しているのかを見るのも、気温を知る目安になります。

ウランバートルよりももっと寒い場所に生活している人もいるし、あくまでも個人的な経験なので人によっては異論があるとは思いますが、その土地の状況の中で身の回りにあるものを手がかりにして天気を予測していくのって、なかなか面白いですよね。