モンゴルソーセージの誘惑
ロシアの食文化が生活の一部に溶け込んでいるモンゴルでは、当然ながら日本ではそれほど一般的ではない肉製品も目にすることがあります。
ヒャムと呼ばれるハムやサラミなどは非常にたくさんの種類がどこの店でも売られています。
ヒャムやピクルス、黒パンなどを見るにつけ、ロシア人が大勢居住していた昔のウランバートルの姿を思い描かずにはいられません。
そんなロシア人たちのほとんどが街を去り、大型スーパーの棚に目くるめくような商品の山がうず高く積まれてるのが今のウランバートル。
昔に比べれば食べ物の選択肢がはるかに広がったことはたしかにありがたいのですが、簡素で素朴だったあの頃もなかなか悪くなかったよなあと思い返したりします。
何か購入するときには、まずレジで料金を先に払って品物と値段が殴り書きされた紙を受け取り、次に商品を受け取りに行くという手間のかかるソビエト式商売も昔の話ですね。
あの一様に薄暗い店内の様子も味わい深いものでした。
などと懐古趣味におちいってもしょうがないので、最近のお勧めの食べ物でも書きますか。
ロシア風ハムの種類はやたら多いものの、いわゆるソーセージの類はあまり多くはないようです。
モンゴル語でザイダスとよばれるソーセージですが、ちょっと臭みがあったり歯ごたえが魚肉ソーセージだったりしていまいち美味しくない。
ヨーロッパから輸入されてくるソーセージは美味しいものの、やはりちょっとお高く日常的にはちょっと無理かな。
モンゴル地元産で美味しいソーセージないもんかなと思っておりましたら、なかなか良いものを見つけました。
フランクフルトという名前も誇らしいモンゴル製。
マハインペクスという大手の精肉会社のものです。
真空パックに入って、賞味期限は一週間。
うちの近所の店では1500トゥグルで売られていました。
日本円でちょうど100円ぐらいですね。
早速、弱火で暖めて食べてみました。
こりゃあ、なかなか美味しい。
皮はパリっと音を立てて裂け、中身はジューシー。
へんな臭みもなく、肉の旨みが口一杯に広がります。
マスタードを付けて食べるとビールにあうあう。
うまいなあ。
モンゴル製でも侮れない、いいお味でした。
こんなふうに地元産で安くて美味しい食品が増えてくれるのは素直にありがたいですね。