ブルトン人とモンゴル人

monmole2013-09-20





フランス北西部に突き出したブルターニュ半島の地域は、1532年にフランスに併合されるまで、ブルターニュ公国という名のフランスとは別個のブルトン人の独立国家でした。
独自の文化習慣の残るこの地で暮らし始めると、フランスであってフランスでないという奇妙な感覚を少なからず覚えます。



レンヌの中心にある文化複合施設「レ・シャン・リーブル」にあるブルターニュ博物館でブルトン人についての特別展示が行われていました。
もともとブルトン人とは4世紀から6世紀にかけてグレートブリテン島からこの地に移住してきたケルト系の民族。
彼らの言語であるブルトン語や民族衣装など独特の文化が残っており、ブルターニュ公国はもはや存在しなくとも、やはりここがフランスにとって隣国であったことを思い出させます。
歴史を通じてブルトン人は世界中に移り住んだということで、今回の展示会はブルトン人がいかに世界中に広く散って行ったのか、そして移住先にどのように根付き、コミュニティーを形成した様を詳しく説明していました。



興味深いことに、ブルトン人たちはブルターニュから世界中に旅立っていきましたが、同時に世界中からの移民をブルターニュは受け入れてきました。




フランスに移動した人々の中には、モンゴル人たちも少なからず含まれています。




ツェツェグ(花)という名前のモンゴル人女性。




モンゴルを離れる際に大切に携えてきた品々。



ヨーロッパ、特にフランスには大勢のモンゴル人が暮らしています。
街角でモンゴル人を見かけることもしばしば。
安定した仕事と生活を望んでフランスに来てみたものの、その多くが実際には厳しい現実に直面しています。
滞在許可がなく、明日の生活がどうなるかわからないまま不安な気持ちで日々を過ごす人も少なくありません。



それぞれの移民がどんな心持ちで故国を後にしたのか、新しい地で何を思ったのかについて深く考えさせられる展示会でした。





レンヌの中心、「シャルル・ド・ゴール」という地下鉄の駅のすぐ近く、「レ・シャン・リーブル」の中にブルターニュ博物館があります。
http://www.musee-bretagne.fr/


ブルターニュ博物館の常設展示も、この地の歴史的な変遷を物語る貴重な品々が置かれており、なかなか見ごたえがあります。




レンヌにお立ち寄りの際には、どうぞ。


移民と現代フランス ―フランスは「住めば都」か (集英社新書)

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クスクス

アルジェリア出身の友人が昼食に招待してくださり、クスクスでもてなしてくださいました。

クスクスとは、デュラム小麦の粗挽き粉をそぼろ状にしたものに具をのせて食べる料理。
アルジェリアでの日常食ですね。




「これがクスクスでしょ」って言ったら、「何言ってんだい、これはクスクスじゃないよ。」
「?」
「これはスムール。まだクスクスじゃない。」
「?」



で、クスクスとはこの状態になったもの。
そぼろ小麦粉はスムールといいます。
つまり具とスムールが一緒になった料理がクスクス。
日本人が「ごはん」という表現を使うのに似ているかな。


スムールに野菜やソーセージを煮込んだスープをかけていただきます。
香辛料の効いたピリ辛ソーセージがアクセントになってとっても美味しい。
ブルターニュ特産のシードルと一緒にいただきました。



フランスはアラブ系やアフリカ系の人たちも多く住んでいますので、クスクスはどこのお店でも売っています。
作り方も比較的簡単だし、今度はうちで作ってみよう。

グラノロ クスクス 1kg [並行輸入品]


ベトナム系移民が多いこともあってアジアの食材もスーパーに並んでいます。
フランスはやっぱり国際色豊かですよね。



もちろん日本食も。


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実はモンゴルにあったフランスの公共デザイン

レンヌ郊外のとあるバス停でふと目に留まったゴミ箱。


なんの変哲もないゴミ箱だが、なんだかどこかで見たような気がする。


家に帰って以前に撮った写真を探したら出てきました。



ウランバートルのバヤンズルフ地区で見かけたゴミ箱。


工作精度や仕上げに違いがあるものの、構造(容器が軸を中心に回転してたまったゴミを出すことができる)や形もかなり似ているようです。
これって何かお手本になるものがあるんでしょうかね。



モンゴルから遠く離れたフランスで再会(?)したゴミ箱にちょっと懐かしい思いを感じたのでした。



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鐘の音がぐわんぐわんと鳴り響く朝

近所の古い教会が朝の10時に突然鐘を鳴らし始めました。
いつもは一日に二回、昼の12時と夜の7時に穏やかに鐘を鳴らすだけなんだけど今日に限っては、ぐわんぐわんとやたらと激しく鳴らし続けている。
鐘の音がいっこうに止まないので何事が起きたのかと思って様子を見に行ってみると、近所の人たちが三々五々集まってきて皆教会のなかに入っていきます。



正面から中を覗くと聖母像が飾られて何やら儀式が行われている様子。



これは聖母マリアが肉体と霊魂を伴って昇天したというカトリックの信仰に基づく儀式だそうです。
聖母被昇天祭という名前で、フランスでは毎年8月15日が祝日なのです。



普段の日はしっかりと扉がざされて人気を感じない教会ですが、こうした祭日にはやっぱり人が大勢集まるものなんですね。
フランスはカトリックの国だと改めて認識しました。



休日はスーパーや商店も軒並み休みになっちゃうし、公共交通機関もかなり間引いた運転になるのでちょっと不便。
今日はレンヌまで行く用事があったのでバスで行こうかと思ったんですが、休日ダイヤだと始発が午後1時過ぎからとかなり不便なのでバス利用はあきらめました。(平日だと朝6時からバスが走っているんですが。)

モンゴルは休日でもここまで公共サービスは控えていなかったですけど、さすがフランスです。


うちのまわりは普段でも静かで落ち着いた場所なんですが、休日の朝は本当にしんとした雰囲気で鳥のさえずりやこずえの音がいつも以上に良く聞こえます。


田舎なんですねえ。



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フランスにおります

モンゴルから引き揚げて10か月ほどが経ち、訳あってフランスに移動することになりました。
ブルターニュ地方のレンヌ郊外にとりあえずアパートを借りて暮らし始めています。

レンヌはパリからTGVで2時間ほどの距離に位置する町ですが、穏やかな雰囲気の地方都市で、バカンスシーズンのせいかもしれませんが街行く人は皆のんびりとしており、あくせくしている人は皆無です。
街角ですれ違う人たちがニッコリ笑顔で「ボンジュール」と暖かく声をかけてくれる環境なんて素敵ですよね。

第二次大戦の戦禍の影響があったというものの、それでもレンヌ市街には中世からの古い街並みがけっこう残っており、なかなか風情があります。




8月に入って、レンヌから10キロほど離れた郊外の小さな村にアパートを借りました。
ここはクルマを持っていればレンヌまで10分ほどで行けるのですが、わりと本格的な田舎です。
古い教会(フランスの町や村には必ずある)を中心に住宅がかたまっているものの、基本的には広大な畑と林と小川に囲まれた場所です。
毎朝家の周りを散歩していると、野兎がそこら一面うじゃうじゃいます。
白いしっぽを上下に振りながら沢山の野兎がぴょんぴょんと逃げていくさまが実に可愛い。
林の中では野イチゴやベリーやサクランボウを見つけることができ、野鳥のさえずりがそこかしこで聞こえます。




日本の夏といえば殴りつけるような強い日差しに照りつけられたり、熱々の空気の塊の中で呼吸するのもつらかったりしますが、ここブルターニュではそうしたこととは無縁のようです。
7月中はさすがに暑い日がしばらくは続いたものの、8月に入ってからはさらりとした爽やかな風の吹く気持ちの良い気候で安定しています。
明け方には気温10度を下回る日もあって、朝の散歩ではフリースを着こまないと涼しいというよりも寒いぐらいです。



モンゴルには11年以上住んでいましたが、今度はフランスでの新生活です。
しばらくはレンヌでの滞在を続けてゆきたいと思っています。
秋にはまたモンゴルに行く予定にしており、引き続きモンゴルとも関わり続けます。

フランスに移動してきてモンゴルについてもまたいろいろと新たに思うこともありますので、フランス生活と共にぼちぼち書いてゆこうかと思います。


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モンゴルにはウランバートル鉄道とモンゴル鉄道がある


陸路でモンゴルに入国する場合や、中国側国境のザミンウデとロシア側国境のスフバートル間に位置するサインシャンド、ウランバートル、ダルハンや、エルデネット(ダルハンからの支線)といった主要な町への主要な移動手段として鉄道は利用されています。
移動時間や料金の点でバスやタクシーを選ぶ人も少なくないものの、安全性、確実性、快適性では鉄道の方が優位じゃないかと思います。
ディーゼル機関車にのんびり引かれて草原地帯の風に吹かれる移動には旅情という言葉が似合いますよね。
そもそもこの時代に延々7日間をかけて北京とモスクワを移動する列車が毎週運行されているというのが前時代的でいいじゃないですか。


時刻表や料金などの情報をモンゴルの公式サイトから調べてみようとしたら、実はモンゴルには「ウランバートル鉄道」と「モンゴル鉄道」という二つの鉄道会社が存在していることを知りました。

ウランバートル鉄道」: Улаанбаатар төмөр зам Монгол-Оросын Хувь Нийлүүлсэн нийгэмлэг
「モンゴル鉄道」: Монголын төмөр зам


名前からして「モンゴル鉄道」が主要鉄道会社かと思ったものの、実は1949年にソ連とモンゴルがそれぞれ50パーセント出資して設立した公社「ウランバートル鉄道」が主な運営を行っています。
「モンゴル鉄道」は意外に歴史が浅く2008年設立で、こちらは貨物専門の会社ということ。


ウランバートル鉄道」の公式ウェブサイトにはモンゴルの鉄道の歴史など興味深い情報などが扱われていますが、とりあえず旅行に必要な情報ということで、
国内列車の時刻表と料金: УБТЗ | Орон нутгийн галт тэрэг
国際列車の時刻表と料金: УБТЗ | Олон улсын галт тэрэг
(国際列車は、北京、呼和浩特(フフホト)、二連(エレンホト)、モスクワ、イルクーツク発着の便が運行されているようです。)



ちなみにモンゴル在住鉄道マニアの方のサイトが非常に素晴らしいです。


UB RAILFAN


在住者ならではのディープでコアな情報満載で、たいへん興味深い内容です。
私は鉄道に関してはまったくの門外漢なんですが、マニアの視点からのモンゴルを垣間見れるととても嬉しいですよね。



おまけ: 「モンゴル鉄道」の公式動画

Монголын төмөр зам - YouTube

50両編成の貨物ということで、驚くほど長いです。
確かにこれぐらい長い貨物列車が時々線路を走っているのを見かけるのですが、ウランバートル市内の踏切では列車通過待ちの大渋滞が発生します。
すごいですよ、本当に。


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ミミのお気に入り


引き出しの中に潜むのは…。





ミミさんです。




狭い場所が落ち着くみたいよ。







タンスの上もお気に入り。




人間どもを睥睨するのじゃ。






そんなミミさんの苦手とするものは、動物病院で処方された虫下し。







いきなりブルーな気持ち。





おくすりきらい。





……







かんべんしてよね。


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